抗酸化栄養素 カシスポリフェノール
目の病気の他、生活習慣病にも効く
☆最強のポリフェノールはカシスから
ヨーロッパでは、昔からカシスの薬効が広く知られていて、そのエキスを抽出した液は万能薬として使用されてきたといいます。
最近の研究の結果、このカシスの薬効の秘密も、活性酸素を除去する「抗酸化力」にあることがわかってきました。
☆お母さんのジャムで目が良くなった
これまでラクトフェリン、ルテインエステルと、抗酸化作用の強い栄養素を紹介してきましたが、抗酸化作用のある栄養素はまだまだあります。
今回紹介するポリフェノールは、植物の葉や花、茎などに多く含まれる成分です。植物が光合成を行うときにできる物質で、非常に強い抗酸化作用があることが明らかになっています。赤ワインやチョコレートに多く含まれていることで知られ、テレビの健康情報番組などでも取り上げられ、すっかりおなじみになりました。お茶に含まれているタンニンやカテキン、ブルーベリーなどのベリー類に含まれるアントシアニンも、ポリフェノールの一種です。
特にアントシアニンには、非常に強い抗酸化力があり、眼精疲労や近視の進行を抑制するなど、目に非常に良い働きがあることがわかっています。
ベリー類が目に良いことが知られるようになったのは、実は第二次世界大戦中のこと。英国の戦闘員パイロットが、田舎の母親から送られてくるブルーベリーのジャムを食べている間は、夜に目が利くようになって敵機を撃墜する数が多くなったというのです。
☆低下した視力が回復近視も改善する
近年の研究で、ベリー類の中でもカシスに含まれるカシスポリフェノールが、一番効果が強いことがわかってきました。カシスは黒すぐりやブラックカラントなどとも言われ、カクテルや飲料水に入っているので、ご存じの人も多いでしょう。
その効果はなんと、ブルーベリー類の中でもきわめて多いのだそうです。
私たちの視覚のメカニズムは、光の信号を目の奧で電気信号に変え、それが脳に伝わることで「見える」と感じるのです。電気信号に変える時に必要な栄養素がビタミンAで、これが不足すると光を感じられなくなって夜盲症(鳥目)になります。ビタミンAは、網膜にあるロドプシンという光を電気信号に変えるなかだちをするホルモンを作っているのです。
ロドプシンは体の中で再生され、リサイクルして使われていく物質です。目の網膜が強い光にさらされたり、加齢などによって網膜の機能が低下すると、ロドプシンの再生が遅れ、目が見えにくくなっていくのです。
カシスポリフェノールには、ロドプシンの再生を加速する働きがあります。これが「暗順応」といって、暗い場所ですぐに順応できる視力を著しく改善させる効果につながるのです。
またカシスポリフェノールには、目の中でレンズの役目をしている水晶体の屈折率が低下するのを防ぎ、同じく目の中の毛様体の筋肉の緊張を緩和する作用があります。これによって、近視を改善することが確認されています。
眼科医の見地からは、一度低下した視力はもとに戻らないと言われていましたが、カシスポリフェノールは現在の眼科医学の分野でも、これ以上安全で効果的な治療法はないと注目されているといいます。
☆他のベリー類の3倍の抗酸化作用
また、カシスポリフェノールがもつ抗酸化作用は、ブルーベリーエキスよりもはるかに強い事がわかっています。他のベリー類のポリフェノール(アントシアニン)に比べ、抗酸化力は3倍、その作用も摂取後8時間程度まで、長時間高いレベルで維持されることがわかっています。
さらには、活性酸素を除去する酵素を助ける亜鉛や鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分も多く含まれています。活性酸素を除去すれば、がんなどの生活習慣病や老化を予防することができることは、もう何度も説明したので言うまでもないでしょう。
このほかにも、血液をサラサラにしたり血管を拡張したり、血栓をでにくくする働きもあるのです。これらの働きにより血流が改善されるので、肩こりや冷え性など抹消神経の血流不全によっておこる症状の緩和も期待できます。
目の病気から生活習慣病の予防まで、がぜん注目を集めているカシスポリフェノール。毎日の生活の中で効率よく摂取するためには、カシスポリフェノールを含むサプリメントを活用するのがおすすめです。
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